【建築豆知識⑩】 坪単価のお話し
いつもブログをお読みいただき有難うございます。
あんじゅホームの菅原です。
家づくりに関する基本的なお話を、建築士の実務目線からお届けしています。
10回目の今日は「坪単価」です。
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ハウスメーカー各社を比較する時によく使われるのが「坪単価」です。
建築費用の目安にはなりますが坪単価だけで「高い」のか「安い」のかを判断することは出来ません。
坪単価で比較するときに注意すべき点をお伝えします。
坪単価とは
床面積1坪当たりに建築費用がいくらかかっているかを算出したものです。
建物本体価格 ÷ 建物面積 = 坪単価
例えば建物本体価格が2000万円で建物面積が40坪なら 坪単価は50万円ということになります。
建物本体価格のルールはない
各会社により建物本体価格にどこまで含まれているかは異なります。
エアコンや照明機器、カーテン等の家具が含まれているか、含まれていないか。
電気やガスの屋外配管工事費用が含まれているか、含まれていないか。
屋外設備工事は当然、建築費用に入るべき工事内容ですが含まれていない会社もあります。
同じ間取り、同じ仕様の家でも各会社によって建物本体価格は異なり
これらの項目を別途工事(オプション工事)として坪単価に算入しない会社もあります。
建物面積にもルールはない
同様に建物面積も各会社で異なります。
バルコニーやポーチ、吹抜けを含めた施工床面積で計算をする会社もあります。
これらの面積を含まない延べ床面積で割る場合よりも坪単価は安くなります。
坪単価で比較するメリット
建物本体価格も床面積の取り方も各会社で違うなら比較にならないと思いますよね?
もちろん単純比較はNGですが、含まれる項目・含まれない項目を明確にできるメリットがあります。
例えば「坪単価が安い」というキャッチコピーの会社さんがあるとして
どこまでが含まれて、どこまでが含まれていないのかを初期の段階で明確にすることで
後々のトラブルを避けるだけでなく、その会社さんの企業姿勢を見ることが出来ます。
坪単価の注意点
先程の坪単価が50万円のお家で、予算的にあと200万円下げたい時
4坪小さくして36坪の間取りにすれば良いかというとそう単純にはいきません。
何故なら床面積に関わらず住宅設備機器の費用は変わらないからです。
40坪のお家も36坪のお家も、キッチン・お風呂・洗面台・トイレの数は変わりません。
家を小さくしたとしても住宅設備機器がなくなるわけではないので
単純に4坪小さくしても200万円も下がらないのです。
見かけの坪単価にご注意
このように同じ仕様であれば床面積が大きいほど見かけの坪単価は安くなります。
40坪、2000万円のお家を、60坪に広げた時は3000万円にはなりません。
住宅設備機器や屋外配管工事は家が大きくなってもそこまで変化しないからです。
逆を言えば、「60坪、2400万円、坪単価40万円の家づくり!」
の様な広告で坪単価が40万円だったから40坪を1600万円で建てられると思っていた。
というお話しもよくあります。
住宅展示場にあるモデルハウスは60坪を超える大きな家もあるので注意が必要です。
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お客様から「坪単価はいくらですか?」と聞かれることが多々あります。
坪単価が「高い」か「安い」かで、会社選びをされている方はご注意下さいね