【建築豆知識①】 建ぺい率と容積率
いつもブログをお読みいただき有難うございます。
あんじゅホームの菅原です。
本日から3日間連続で家づくりに関する基本的なお話を
建築士の実務目線からお届けします
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【建築豆知識①】 建ぺい率と容積
【建築豆知識②】 長期優良住宅について
【建築豆知識③】 お金にまつわるエトセトラ
第1回目は『建ぺい率と容積率』について
家づくりを考えている方なら一度は耳にしたことがあると思います。
実務レベルでも土地の購入検討やプランニングの時は真っ先にチェックする項目ですが
建築士は頭の中で何を考えているのでしょうか?
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用語の説明
建ぺい率と容積率は建物の規模を規制するもので、各行政庁により定められています。
建ぺい率は敷地面積に対する建築面積(建物を真上から見た時の面積)の割合
容積率は敷地面積に対する延床面積の割合です。
より具体的なお話は不動産・住宅サイト(SUUNO)様が解説されています。
では、建築士の頭の中を覗いてみましょう。
≪モデルケース≫
敷地面積100㎡、指定建ぺい率60%、指定容積率200%、前面道路4メートル幅の場合
敷地を調べる
仮に「敷地面積100㎡」と記載されている土地を情報サイトで見つけたとします。
しかし、私道負担・セットバック・隣地越境物などにより
実際に使える敷地面積(有効面積)が記載よりも小さくなる場合もあります。
そこで建築士は必ず現地確認をし、謄本や測量図などで問題がないかを調べます。
建ぺい率から計算する
調査の結果、有効面積が90㎡となりました。
有効敷地面積90㎡×60%=54㎡が最大の建築面積となります。
木造住宅の場合、柱と柱の間隔は91㎝で揃えていてモジュールと言い
91㎝×91㎝で囲まれた空間を1マス(0.82㎡)として考えます。
建築面積が54㎡なので、最大でも65マス(53.8㎡)となります。
敷地条件により
7マス×9マス=63マス
8マス×8マス=64マス
矩形にするかL型にするかなど、ガレージの位置も加味しながら大きさを決めます。
今回は7マス×9マスの52.17㎡が建築面積になりました。
容積率をチェックする
90㎡×200%=180㎡なので52.17㎡×3=156.3㎡で180㎡以下となり
総3階建てが建築できる!
と思いきや、前面道路の大きさによってこの容積率は変化します。
今回のケースだと、容積率は160%となり延床面積は144㎡が最大です。
3階部分52.17㎡の予定が39.66㎡しか取れないことになります。
12.51㎡少なくなり、畳数にすると約7.5帖です。
その他の法規制をチェックする
他にも高さ制限や条例などがあり、建物の大きさに影響を受けます。
そして法規制だけでなくエアコン室外機や給湯器置き場、自転車置き場など
様々な要素を考慮しつつ建物のボリュームを算出しています
土地情報サイトの載っていた100㎡の土地にどんな家が建つのか?は
これらの順番に検討していきます。
経験を積んでいくと、図面化しなくても敷地情報や写真を見た瞬間に建物ボリュームが分かるようになります。
明日は
【建築豆知識②】 長期優良住宅
のお話です