【全5回】窓とパッシブデザイン⑤ ~日射熱利用暖房~
あんじゅホームで住宅コンシェルジュをしている田上(タノウエ)です。
本日は、『窓・パッシブ5』についてお話しさせていただきます。
昨日は「昼光利用」についてお話させていただきましたので、本日は「日射熱利用暖房」についてお伝えいたします。
本日で5回目になりますが、先日受けた講義内容のお話しは今回の「日射熱利用暖房」で最後になります。
今は夏真っ盛りなので「日射遮熱」や「自然風利用」の方に意識がいきがちですが、夏が終わって秋から冬にかけて「日射熱利用暖房」が力を発揮いたします!
「日射熱利用暖房」とは、簡単にいうと太陽の熱を暮らしに活かす方法です。
窓はストーブ⁈
窓に当たる日射熱の量は、1㎡あたり400Wほどの熱量になります。
400W/㎡×3.3㎡(※)=1,320W
※ 3.3㎡は、16520(約W1650mm×H2000のサイズ)の窓になります。
もし、同じ窓が南面に3枚あった場合は、約4,000Wの熱容量に当たります。
( 1,320W×3=3,960W )
つまり、1,000Wのストーブ4台分に相当します。
言い換えれば、「日射熱利用暖房」を利用すれば窓はストーブと言えます ‼
窓をストーブ代わりにする事で、暖房費を抑える工夫につながります。
その際に気を付けないとダメなのが、ガラスの種類になります。
日射遮蔽型のガラスは、日射熱取得が30%
夏場の日差しを遮りたいと考え、南面の窓を日射遮蔽型のガラスにした場合は窓からの日射熱取得が30%になります。
つまり、同じ窓のサイズと数でもガラスが変われば、 4,000W×30%=1,200W分となり、冬場になって室内に取り込まれる熱量は1,000Wのストーブ1台分だけになります。
日射取得型のガラスなら、日射取得が64%
それを日射取得型のガラスに変更すると、約64%の熱量を室内に取り込めます。
4,000W×64%=2,560W分になりますので、1,000Wのストーブ2.5台分に相当します。
そうなんです ‼
ガラスの選び方で、ストーブの台数に大きな差が生じます。
つまり「日射熱利用暖房」を考えた場合、南面の窓はできるだけ大きくして、ガラスの種類を日射取得型のガラスにしないといけません。
但し、夏場の事も考えないといけませんので、夏場対策として窓の外側に必ずシェードを設置するようにして下さい。
【ポイント】
南面の窓は大きく日射取得型のガラスを採用
夏場対策として窓の外側にシェードを設置。
今回の『窓・パッシブ』の講義を通して皆さんにお伝えしたいのは、一番日射熱を取り込むことができる南面の窓は大きくしてガラスの種類を日射取得型にするという事です。
但し、夏場の事を考えて窓の外側に必ずシェードを設置しないとダメだという事です。
またそれ以外の窓ガラスの種類については、日射遮蔽型にされる事をお薦めします。
そして、あまり大きくない窓がお薦めです!
窓形状については、プランや立地によって適材適所で上手く「自然風利用」や「昼光利用」できるように考えて下さい。
それが分からないので困っているんだという方は、街のハウスドクターであるあんじゅホームヘお問い合わせ下さい。
『窓・パッシブ』の講義を受けた住宅コンシェルジュの田上が、皆さまのご相談に対応させて頂きます。
皆さまからのお問い合わせを、ドンドンお待ち申し上げております。