定年退職後、失業保険は受給できる？　～受給条件編～

2022年12月12日 19:00:00ライター:田上カテゴリ:住まいづくりのお役立ちコラム

あんじゅホームで住宅コンシェルジュをしている田上(タノウエ)です。
本日は、『定年退職後の失業保険』についてお話しさせていただきます。

最近、二世帯住宅でお問い合わせいただく件数が増えて参りました。
ご両親が定年退職されているお客様もいらっしゃいますし、もう少ししたら定年退職されるというお客様もいらっしゃるかと思います。
現在、お問い合わせを頂戴しているお客様のお父様は、暫くしたら定年退職されると伺っております。
私も今年で55歳なので、遠い未来の話ではありません！
よってご存じかも知れませんが、今回は『定年退職後の失業保険』は受給できるのか？
について概略をお話しさせていただきます。

結論は、『定年退職後の失業保険』は受給できます！
但し、条件があります。

◆受給条件

60歳で定年退職した場合、
　①再雇用される
　②年金を繰上げ受給する
　③暫くのんびりする
　④他の会社に再就職する
など、様々な選択肢が考えられます。

この内、④再就職を検討している場合には、『定年退職後の失業保険』を受給できます。
失業保険受給には、次の２つの条件を両方ともクリアする必要があります。
雇用保険の被保険者期間が過去2年間で12ヶ月以上あること。
つまり退職前の過去2年間の間で、累計1年以上は雇用保険に入って勤務しておく必要があるわけです。
就職する意思と就職できる能力があり、仕事を探しているにも関わらず就職できない状態である事。
そのため、①～③のように仕事を探さない場合は受給対象外となります。

◆失業保険を受給できないのはなぜ？

以下のような人は失業保険を受給できません。

●年金を受給する予定の人
60歳から65歳までの間では、特別支給の老齢厚生年金が出る人もいらっしゃいますが、特別支給の老齢厚生年金と失業保険は同時に受給することが出来ません。
なので、特別支給の老齢厚生年金と失業保険のどちらかを選択する必要があります。

●働かずに暫くのんびりする人
この場合も、働く意思はないだろうと判断されるため、失業保険は受給できません。
ただ定年退職に限っては特例があって、このような「暫くのんびりする人」でもいずれ再就職する予定であれば、失業保険を受給できます。

◆定年退職時の失業保険の特例とは？

特例を受けられる対象者は以下の方々です。
・60歳以上で65歳未満の定年退職者
・60歳以上で定年後の継続雇用満了により退職した人
　（＝嘱託などで働いており、その契約が終了した人）

このような方々は、失業保険の受給期間を最大1年間延長できます。
本来、失業保険の受給期間は1年間と決まっていますが、この1年間の間で受給を終えないと、受給できなかった失業保険が失効してしまいます。
ですが定年退職者に限っては、延長期間として本来の受給期間にプラス1年間の受給期間を延ばすことができます。
つまり、2年間のうちに受給すればよいので、2年間は働かずにのんびり過ごす事も可能という訳です ‼
これは今までずっと働き続けて来た労をねぎらう意味で、「2年間は暫くのんびりしても良いよ」という事になっています。
ただ注意点があって、この失業保険の受給期間を延長するには手続きが必要で、この延長手続きは「退職日の翌日から2ヶ月以内」にしないといけません。
これを忘れると、本来の受給期間である1年間の間に受給しなくてはいけなくなりますので、受給を先延ばしにしたい人は失業保険の受給期間を延長する手続きを必ず忘れないようにお願いします。

なお、失業保険を受給できるのは、65歳未満と決まっています。
これは65歳以上の退職者だと、失業保険ではなくて「高年齢求職者給付金」というのを受給する事になります。
失業保険は4週に1回お給料のように入って来ますが、この「高年齢求職者給付金」は失業保険と違って一時金として支給されます。
この「高年齢求職者給付金」の受給総額としては、失業保険よりも金額が安くなりますので、65歳以上で定年退職するという人は、この点に気を付けていて下さい。

今回は失業保険の条件と定年退職時の特例についてご紹介させていただきました。
失業保険が受給できることが分かったら、次に気になるのは「いくら給付されるのか？」ですよね。
こちらについては、明日ご紹介させていただこうと思います。

二世帯をお考えの方は、是非ともあんじゅホームへお問い合わせ下さい。
皆さまからのお問い合わせを、ドンドンお待ち申し上げております。

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