家を支える重要な工程「コンクリート養生」

2022年04月13日 19:00:00ライター:田上カテゴリ:住まいづくりのお役立ちコラム

あんじゅホームで住宅コンシェルジュをしている田上(タノウエ)です。
本日は、『コンクリート養生』についてお話しさせていただきます。

新築工事の始まりといえば、多くの方がイメージされるのは「建て方」だと思います。
建て方とは、基礎の上に柱や梁など家を構築する主要構造となる材料を組み立てる作業工程のことで、これが完了した時を「上棟」といいます。

しかし、建て方を行う前に、家を支える上で重要な工程があります。
それは、土台となる「基礎」を造作することです。
基礎を造作する前には、土を掘り返す掘り方作業を行います。
ただし、地盤補強が必要と判断された場合は、地盤補強→掘り方作業→基礎工事という順で進みます。
なお、地盤補強を行うか否かの判断は、地盤調査を行い、その結果をもとに設計者が判断します。

このような一連の作業を行った上で、いよいよ基礎工事となります。
基礎工事は、地盤と建物を繋ぐ、大切な工事です。
配筋作業後に型枠の中にコンクリートを打設（流し込む作業）し、暫く『コンクリート養生』を行います。
『コンクリート養生』とは、コンクリートが硬化するまで、適切な環境に保つことをいいます。
皆さんが感じているより、コンクリートはデリケートな材料です。
硬化する前は「生コン（なまこん）」と言うくらいです。
コンクリートが乾くだけではなく、しっかり強度が出るまでの間は、時間をおかなければなりません。また、その間は適切な温度管理が必要になります。
『コンクリート養生』中は作業を行わないので、お客様は工事が止まっている感じを受けるみたいです！
その為お客様には、事前に『コンクリート養生』中は作業しない旨をお伝えする事も多々あります・・・。（笑）

■コンクリートがデリケートな理由は？

コンクリートは固まるまで強度はなく、固まるとすぐ強度が出るという訳でもありません。
適切な温度管理、湿潤状態（水分で湿った状態）を保てないと、強度発現（※）が遅れることや、ひび割れが起き易くなります。
そのため、季節や温度、天候などにも影響されます。
コンクリートの強度発現で最も適切な環境が、実は『温度が20℃±3℃の水中』です。
上記の環境で養生することを「標準水中養生」といいますが、建物は当然水槽に入りませんので、適切な養生が行えるよう規定があります。
暑い時期に施工するコンクリート養生と、寒い時期に施工するコンクリート養生は、養生方法が当然違います！

※強度発現とは…　「固まっていないコンクリート」が徐々に強度を持ち、「硬化コンクリート」へと変化していく過程を表す言葉

そこで、あんじゅホームには「施工管理マニュアル」があります。
これは、職人の経験値だけに頼るだけではなく、根拠のある家づくりを徹底するためのマニュアルで、基礎だけではなく全工程においてマニュアルを作っています。
この施工管理マニュアルで、『コンクリート養生』は非常に大事な作業工程であると位置付けられております。
基礎は、人間の身体で言えば、骨盤みたいな役割を担っております。
腰痛の方が重たい物を持つ事ができないように、お客様の大事な家の基礎部分の強度が保てない施工であれば、30ｔ以上の重みに耐える事ができず、直ぐガタが来て歪みが出てしまいます。

そんな事がないように、あんじゅホームでは全棟スランプ試験を行っております。
生のコンクリートは、水分量によって柔らかさや流動性が変化します。
生コンクリートの柔らかさが変わると基礎に影響してしまうため、あんじゅホームではこの柔らかさを数値化した「スランプ値」の基準を設けており、その基準をクリアしているかを全棟確認します。
そしてお引き渡し時に、そのスランプ試験のデーターをお客様にお渡ししております。

（▲スランプ試験の様子）