今月のトピック
1.ふかみの独り言
2.家づくりの本を読む
【伊礼智の住宅設計作法Ⅱ】 その2
3.あとがき
ふかみの独り言
台風20号、21号が連続で関西に上陸しました。台風20号は、
姫路付近を通過したため、神戸にも被害がでました。
そして台風21号は、神戸付近を通過したため、大阪に大きな被害がでました。
通過するコースの西側か東側かで被害が全く違います。詳しくはブログに
書いていますので、そちらをお読みください。
また神戸は、台風による大雨と高潮で大きな被害がありました。
まさか高潮でコンテナが流されるようなことが起こるとは、まったく想像できませんでした。
神戸で生まれ45年過ごしてきて、初めての経験です。これからは地震だけでなく、
台風、大雨、高潮の被害のことも考慮して、家づくりをしていかないといけないと、
改めて考えさせられました。
家づくりの本を読む
【伊礼智の住宅設計作法Ⅱ】その2
伊礼智さんは、これまで何度かご紹介している今注目の設計士です。
弊社の深澤も直接、学びに行っています。
『伊礼智の住宅設計作法Ⅱ』
伊礼智 著
建築家・伊礼智の住宅設計作法の続編。
数々の質問に、素直で真面目に、時にウィットにこたえる。
その言葉には、心地よさの本質がさりげなく差し出されている。
天井の低さがプロポーションの良さ
建築家・永田昌民さんは天井高さ2100ミリを好んで使われています。
「天井低くありませんか?」とお客様から聞かれても「気のせいですよ~」と
返答するとのこと。そこまでして天井を低くするのは、心地よさのためです。
高い・低いは感覚的なことなので、論理的に説明するのも難しく、
一所懸命に説明するほど、感情的になってしまいがち。
これまでの経験で2100ミリの天井高さですと約8割の方がちょっと低いと
思われがちですが、2217.5ミリまで上げると8割くらいの方が
高さを気に止めて見ていません。
高いのがいいとか、低いのがいいとかではなく、バランスが大切なのです。
吹き抜けは上と下をうまくつなぐ居場所
吹き抜けを設けるのは、単に天井を高くするためではありません。
ダイナミックな空間も気持ちいいのですが、不必要に空間のボリュームを
大きくすると温熱環境の制御が難しくなります。
吹き抜けた先に何があるか?が重要。
吹き抜けを設ける理由の第一は、上と下の「居場所」をつなげるためです。
単に天井が高いだけの吹き抜けは「行き止まりの居場所」のように感じます。
上下がうまくつながった吹き抜けは、よくできた動線のようです。
吹抜けは、「天井に空いた穴」ではなく、1面以上の壁が1階から2階まで
つながって立ち上がっていかなければ、上へのベクトルは生まれません。
さらにもう一つ大事なことは、吹き抜けの高さをできるだけ押さえることです。
せっかく吹き抜けを作ったのにと思われますが、低めにおさえた吹き抜けは
「嫌み」や「あざとさ」が抜けて、居心地のよい空間になります。
(深見解説)伊礼住宅の大きな特徴は、天井の低さと吹き抜けです。
建物のプロポーションを良くするためには、建物全体の高さをおさえなければなりません。
そのためには天井を下げる必要があります。
ただ単純に天井を下げると窮屈な空間になってしまいますが、
吹き抜けのような上下の空間をうまく構成することで、天井の低さが、
逆に居心地の良さに変わります。
開口部近傍に心地よさは宿る
開口部について忘れられない言葉があります。
哲学者で東京大学教授の野矢茂樹さんの言葉。
各分野の専門家が「豊かさの基準」について話し合う座談会で
「設計って外部をどれだけ採り入れられるかでしょう?」と投げかけられた。
その一言が明快に開口部の考え方を表現していて、哲学者はやっぱり違うなあと
いたく感心したものです。
豊かなものはすべて外部からやってくる。
外部に閉じている人は、豊かになれない。その外部と内部をつなぐのが開口です。
だから「開口部近傍に心地よい居場所が宿る」
(深見解説)伊礼さんから学ぶ人でこの「開口部近傍に心地よさが宿る」
という言葉を知らない人はいません。
外と中、外界と内界、それを結ぶのが開口です。
境界とも結界とも考えられます。そこは、何を採り入れ、何を遮断するか?
そこが設計の肝になります。
ただ単純に開口を設ければいいと言うものではなく、遮断するところは遮断し、
開けるところは開ける。その取捨選択が居心地のよさになります。
あとがき
映画『カメラを止めるな』を観てきました。昔は、よく映画に行ったものですが、
結婚して子供ができた頃から、ほとんど見に行かなくなりました。
行ったとしても子供の付き合いで観に行くぐらいなので、「ポケモン」や
「名探偵コナン」のアニメ程度。
ちょっと久々に時間もできたので、最近話題になっている『カメラを止めるな』が
どうしても観たくて行ってきました。映画制作費たったの300万円。
その映画が、今年一番の映画になる勢いです。その理由がどうしても知りたい
というのもあり行ってきました。
感想は、「なるほど。。。」でした。最低でも2回は観たくなる映画です。
映画の内容は、ネタバレになるのでお伝えできませんが、
ぜひ一度観に行ってみてください。
久しぶりに映画を観て楽しかったので、
ついでに『泣き虫しょったんの奇跡』も観てきました。
『カメラを止めるな』と違って、実話でしたが、こちらも面白かったです。
こちらもおすすめです。
これを機にもう少し映画を見に行こうと思いました。
「映画って素晴らしいですね。さよなら、さよなら、さよなら」
これって、若い人は分からないのでしょうね(笑
では、また来月!
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