2018 自由空間工房 10月号
今月のトピック 「ご挨拶」
「壁量計算についてのご説明」
○一言
こんにちは。設計図書の作成、申請、構造を担当しています、
設計二課 草野 です。
最近、やっと涼しくなってきましたね。(^^)
エアコンが無くても 寝苦しくなく、いい季節(草野にとって)
になってきました。(*^^*)
少し遅くなりましたが、この間の台風 すごかったですね。
私は、大阪府豊中市に住んでいるのですが、かつて経験のない風の音、
家の振動、頻繁に起こるミニ停電。
妻と娘が、家の中で一番どこが安全か 話し合いながら、あっちへ行ったり、
こっちへ行ったりしていました。^^;
すぐ横でずっと仕事をしていた私は、それを微笑ましく思いながら
じっと見ていたのですが、私、ちょっと性格悪いですかね? (^_^;)
まぁ私も 窓ガラスが割れて雨が入ってきたり、雨漏りしたり、
家が傾いてきたりすれば、そんな感じではいられなかったでしょうが・・・
夕方 台風が去った後、家の周辺を見渡したのですが、近くの緑地公園の木々が
大変なことになっていました。
胴回りが1mを超える木が 頭上で折れて倒れていたり、4mを超える大木が
根っこごと ひっくり返っていたり、幹線道路の左右には、見渡す限り
折れた大きめの木の枝が散乱していたり、本当にすごい台風だったんですね。(´・ω・`)
最近はこのような自然災害が多く、家を造る立場としては、本当にしっかりと考え、
構造、耐久性に優れた建物を建てないといけない、と心に誓った出来事でした。(・へ・)
↑近所の木々の状況です。 白黒で分かりづらいかもですが、えらいことになっています。
話はガラッと変わりますが、前回(先々々月)このお手紙に設計二課に田代が加わり、
プラン図以降の設計は三人体制となりましたぁ、と喜びのご報告をさせて頂きました。
しかし先月、なんとっ 小林が諸事情により、明石支店への転勤が急遽
決まっちゃいました~。今月よりまた二人体制に戻ります。(T_T)
小林も色々なことが出来るようになり、まぁ一人立ちという感じで本人にとって
良いことなんだと思います。新しい店で がんばってくれぃ。
ただ それにしても 三人体制の期間、短かすぎる~~~。(TдT)
はいっ まぁ何はともあれ、皆様 これからもどうぞよろしくお願いします。m(_ _)m
○建築法令などの説明
前回は、私が参加した構造セミナーより、一部業者のとんでもない実態談から、
「四号特例と呼ばれる、構造計算の免除」について説明させて頂きました。
全ての建物は、建設時に 建築基準法の構造の規定をクリアしなければなりません。
ただし四号建物(木造二階建ておよび平屋建ての建物)は、規定があるものの
建築士に委ねられている(第三者のチェックが任意)というものでした。
あんじゅホームは、より厳しい「許容応力度計算による構造計算」を全棟行い、
第三者機関さんのチェックを受けますので、この緩和規定は全く関係ないのですが、
建築士も人数が多く色々な人がいる世の中 この緩和規定がもっと厳しくなる
ことを切に願います。
ということで、構造計算の続きで 今回は、「壁量計算」についてより詳しく説明
させて頂きます。 どうぞよろしくお願いします。
「壁量計算」の前にまずは、ここで「壁」と言われているのは、何かを説明します。
「壁」とは、「耐力壁」のこと。 また「耐力壁」とは、建物の耐震性と
耐風性を強める役割を担っている「筋かい」等を言います。
「筋かい」についてはご存知の方も多いと思いますが、柱と柱の間に
斜めに入れて建築物の構造を補強する部材です。 柱の間にバッテンの
形をとった木材があると思います。 それがそうです。
また筋かい以外 でも柱と柱に板状の面材を張り付けたものも「耐力壁」になります。
前回も書きましたが、「壁量計算」は、「構造計算」の簡易版の様なもので、
「構造計算」が建物自体の重さ、積載物の重さを考慮し、地震、暴風時に
構造材(柱、梁など)一本一本にかかる力の流れを計算して求めるのに対し、建物の
延べ床面積(1階2階の合計面積)に決まった係数を掛けて求めるものです。
これは、地震力が建物の重さに比例して強くなることからきています。
建物の面積が増えれば 自ずと建物の重さも増えますよね。 建物の面積が増えれば、
重さが増し、地震力も増えるということです。 また、暴風に対しては、建物の見付
面積、つまり建物の表面積に決まった係数を掛けて求めます。
建物平面上、タテ、ヨコ 二方向に分けて考えるのですが、タテヨコそれぞれが
上記計算で求めた値より、耐力壁の量が勝っていれば、その家は安全だという
ことになります。
また建物高さ方向でも1階、2階と分けて考えます。 2階の壁はその壁より上の部分の
重さの影響を受けますが、1階の壁は2階も含め、1階壁より上の部分の重さの影響を
受けます。 風に関しても同じです。 つまり「壁量計算」では、1階のタテ方向、
1階のヨコ方向、2階のタテ方向、2階ヨコ方向の4項目全てで検討するということです。
その他、「壁量計算」では、地震力は建物の面積(重さ)によるので建物形状には、
左右されないとなっています。 それに対し、暴風は面によって面積が異なりますので、
各方向で違う値となります。 平面的に長細い建物では、狭い面はその垂直方向の多くの
壁で対抗しますが、広い面を支える垂直方向の壁は、少ないので厳しくなります。
色々な対策を練りますが、当社ではできるだけ壁を作らせて頂くようにお願いしています。
また、強固な耐力壁を用いる工法もございます。
最後まで読んで頂き、ありがとうございます。また来月以降もよろしくお願いします。
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